枕
寝具
マットレスにカビが付く原因は?対処法と予防策を紹介
マットレスは、正しいケアをしていないとカビが生える可能性が高いです。カビを放置していると、健康に悪影響が出るおそれがあるため、早めに対処しておくことが大切です。
今回はマットレスに生えるカビの原因やリスクをはじめ、対処法や予防法について解説いたします。
マットレスのカビを放置するのは危険!
マットレスに少しでもカビが生えている場合、そのまま放置するのは危険です。
初めは少量のカビであっても、皮脂やほこりなどを栄養源として成長し、広範囲になることがあります。カビの範囲が広がると、クリーニングを依頼しても対処できなくなります。
マットレスにカビが生えていると、睡眠中にカビの胞子を吸い込んでしまいます。カビは、ハイアスペルギルス症や気管支喘息のような、主に呼吸器に関する症状を引き起こしやすいです。
また、アレルギーの原因になることもあり、慢性的な鼻炎や皮膚のかゆみなどアレルギー症状に悩まされるケースも少なくありません。
免疫力が比較的弱い子どもや高齢者がいる家庭では、マットレスのカビを少しでも発見したら、すぐに対処するように心がけましょう。
マットレスにカビが発生する原因
カビが発生する条件には、湿度と温度、養分の3つが深く関わっています。マットレスは、カビが好む環境が揃っており、成長スピードが早く、少しのカビから手がつけられないほどになることも珍しくありません。
ここからは、マットレスにカビが生える原因をご紹介します。
体温で温められている
カビが繁殖しやすい温度は、20~30度です。マットレスの上で人が寝ると体温が伝わり、温かい環境になることで寒い冬場でもカビが繁殖します。
寝汗で湿気がこもっている
カビが活発になるのは、湿度60%以上です。人は寝ている間、コップ1杯分(200cc)の寝汗をかくといわれています。そのため、湿気がこもってカビの発生を促す原因となっているのです。
カビの養分となる皮脂や髪の毛が豊富にある
いくら清潔に保っていても、髪の毛やフケ、皮脂は日々落ちています。髪の毛やフケのタンパク質、皮脂の脂肪分はカビが好み、成長を促す養分となります。
マットレスにカビが発生したときの対処法
マットレスのカビを取り除く手段として、掃除機を使用する方法を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。しかし、カビを掃除機で吸うと、吸い取ったカビの胞子を排気口から撒き散らしてしまうおそれがあるため、おすすめできません。
また、掃除をする日を選ぶことも重要です。カビにとって好条件である湿度の高い雨の日は避け、カラッと晴れた日に掃除をしましょう。
ここからは、マットレスにカビが発生したときに、自分でできる対処法を3つの項目に分けて解説いたします。
【カビに気が付いたら】消毒用エタノールを使う
マットレスのカビに気が付いたら、消毒用エタノールを使って除去していきましょう。
【準備しておくもの】
- 消毒用エタノール
- スプレーボトル
- 使い捨てできるタオル
- ドライヤー
- ぬるま湯
【作業手順】
- カビに直接消毒用エタノールを噴霧する
カビが生えている部分に、しっかりと湿る程度に消毒用エタノールをスプレーします。 - カビに消毒用エタノールを浸透させる
消毒用エタノールをスプレーしたあと、1時間程度放置します。 - ぬるま湯で湿らせたタオルでカビを拭き取る
使い捨てのタオルをぬるま湯で湿らせたあと、軽くしぼって消毒用エタノールをスプレーした場所を叩きながら、カビを除去します。こするように拭くとカビが広がってしまうため、上からトントンと叩きながら拭き取りましょう。 - マットレスを乾かす
軽いマットレスであれば、立てかけて乾燥させましょう。立てて乾かすのが難しい場合は、ドライヤーの温風を当てて乾かします。
消毒用エタノールは、殺菌力が強くカビを退治するのに有効な手段といえます。しかし、カビの黒ずみを除去する効果はなく、見た目に変化は見られないので注意しましょう。
【カビ臭が気になる】重曹とエタノールを使う
弱アルカリ性の重曹は、皮脂汚れや手垢などに効果があることで知られています。重曹とエタノールを組み合わせて使用すると、カビの嫌な臭いを吸着してくれる効果が期待できるのです。
【準備するもの】
- 重曹(小さじ1)
- 水(100ml)
- 消毒用エタノール
- スプレーボトル(2本)
- 使い捨てできるタオル
- ドライヤー
【作業手順】
- 重曹水を用意する
重曹と水をスプレーボトルに入れて、よく振って混ぜ、重曹水を作ります。 - 重曹水を噴霧する
カビが生えている部分に、しっかりと湿る程度に重曹水をスプレーします。スプレーしたら、5分程度放置します。 - タオルで拭き取る
重曹水をかけた部分を、タオルでトントンと叩きながら拭き取りましょう。こするとカビが広がるおそれがあるため、必ず叩きながら拭き取ります。 - 消毒用エタノールを噴霧する
重曹水をスプレーした場所に、次は消毒用エタノールを吹きかけます。しっかりと湿ったら、1時間程度放置してください。 - タオルで拭き取る
重曹水を拭き取ったときと同じ方法で、消毒用エタノールもタオルで叩きながら拭き取ります。 - マットレスを乾かす
マットレスを立てて乾かせない場合には、ドライヤーも利用して、完全に湿気がなくなるようにしてください。
重曹も、カビの黒ずみを落とす効果はありません。あくまでも、カビの臭いを取る方法として覚えておきましょう。
【カビの黒ずみが気になる】市販のカビ対策スプレーを使う
カビの黒ずみが気になる場合は、黒ずみに効果があるカビ対策スプレーを利用するのがおすすめです。
【準備するもの】
- カビ対策スプレー
- 使い捨てできるタオル
- ドライヤー
【作業手順】
- カビ対策スプレーを噴霧する
黒ずみがある部分に、カビ対策スプレーを吹きかけます。吹きかけた部分が、しっかりと湿る程度にスプレーしておきましょう。 - 30分ほど放置する
スプレーしたまま30分程度放置します。30分後にカビが消えていない場合は、再度スプレーを吹きかけて、30分放置してください。 - 叩きながら水拭きする
カビが消えたことを確認したら、水で濡らしたタオルで叩きながら拭き取ります。 - マットレスを乾かす
マットレスを立てかけたり、ドライヤーを使ったりして、完全に湿気がなくなるようにしてください。
色柄物のマットレスの場合は、脱色してしまう可能性もあるため注意しましょう。
マットレスにカビが発生するのを予防する方法
マットレスのカビを退治したあと、再発させないことも重要です。ここからは、マットレスのカビを防ぐ方法について解説いたします。
寝室は毎日換気する
寝室の換気を習慣付けることは、誰でもできるカビ対策のひとつです。寝室の窓を開ければ、湿度を下げられます。
また、空気が入れ替わることによるホコリの放出も可能です。養分となるホコリを室内からできる限りなくすことで、カビの増殖を防げます。
マットの湿気をできるだけ取り除く
寝汗で湿気を帯びたマットレスは、できる限り乾燥させましょう。起きたときに掛け布団をめくり1~2時間すれば、湿気がある程度逃げていきます。
また、1~2週間に1回を目安に、マットレスを立てかけて干すのもおすすめです。
マットレスは紫外線で劣化する素材が多いため、干すときは直射日光が当たらず、風通しの良い窓際に立てかけましょう。風通しが心配な方は、扇風機やサーキュレーターを使って風を送ると、しっかりと乾かせます。
敷きパッドや除湿シートを活用する
マットレスの上に敷きパッドを敷けば直接マットレスに寝汗が吸収されません。また、マットレスの下に除湿シートを敷いておけば、マットレスとベッド・床との間に結露ができなくなるのでカビ予防につながります。
敷きパッドは、週1回を目安に洗濯して清潔に保ち、カビの養分になる皮脂や汚れを取り除くように心がけましょう。
敷きパッドの素材は、夏は放湿性の高い麻やシルク、冬は湿気のこもりにくい吸湿発熱性のある素材がおすすめです。
除湿シートは、乾燥させて繰り返し使用できるタイプが便利です。除湿シートといっても、敷きっぱなしで湿気がなくなるわけではないため、定期的にシート自体を乾燥させましょう。
眠りの専門店「マイまくら」では、敷きパッドや除湿シートも取り扱っておりますので、ぜひお買い求めください。
麻混敷きパッド・吸湿発熱敷きパッドはこちら
除湿シートはこちら
手入れがしやすいマットレスを選ぶ
カビを予防するためには、手入れがしやすいマットレスを選ぶことも重要です。マットレスの種類別に、手入れのしやすさをご紹介します。
・ファイバーマットレス
通気性に優れており、マットレスの中身を自宅のシャワーで洗えるためカビ予防に適しています。
・コイルマットレス
コイルマットレスは重く、立てかけての陰干しが難しいです。側生地を取り外せないタイプがほとんどであるため、カビが発生した際に洗濯ができません。
・ウレタンマットレス
ウレタンマットレスは軽いため、女性や年配の方でも干しやすいでしょう。特に、三つ折りタイプは毎日の上げ下げもしやすいためカビ対策におすすめです。
ただし、立体カットが施されていない一枚板のようなウレタンマットレスは身体とマットレスの設置面に湿気がこもりやすくカビが発生しやすいため注意が必要です。
ウレタンマットレスは凹凸の立体カットが施された、湿気がこもりにくいものを選びましょう。
マットレスの置き方に注意する
マットレスを定期的に干すことが難しい場合は、床に直接置かないようにしましょう。床にマットレスをそのまま置くと、隙間がないため湿気が逃げません。
マットレスと床の間には、除湿シートやすのこを敷くと良いでしょう。
また、専用のベースマットを敷くのもおすすめです。床とマットレスの接地面に湿気がこもりにくくなり、クッション性がアップすることで耐久性や寝心地が向上します。
マットレスは、壁から10cmほど離して設置してください。
まとめ
マットレスは、湿気がたまりやすくカビが発生しやすい場所です。見た目が悪いだけでなく、健康被害につながるおそれもあります。予防に加え、カビを発見した際には、できるだけ早く対処しましょう。
記事を書いたライター
毎日の睡眠の質を高めるために役立つ「寝具」や「睡眠」の関連情報を提供するマイまくら マガジン編集部です。